この記事は 社会人学生 Advent Calendar 2024 6日目の記事です。
こんにちは。@zaki___yama と申します。
私は普段 Web エンジニアとして働く傍ら、2021年頃から University of the People (UoPeople) というオンラインの大学に通っています。
今も細々と続けています。3年近く経ちますが休み休みやってるので、受講した科目は10もないぐらいです。
UoPeople に入学した動機はシンプルに、コンピュータサイエンスの基礎的な知識を学び直したいと思ったからです。
興味のある分野を独学で学ぶことも考えたのですが、カリキュラムという形で一定網羅的な内容が学べると期待したこと、また学んだ成果が学位という形で得られることも一定魅力に感じ、無理なら途中でやめればいいやと飛び込んでみることにしたのでした。
一方、事前にいくつかの大学を比較はしたものの、UoPeople には勢いで決めてしまった面もありました。
そのため、後々になって「えっ、そういう制度になってるの?」と知るようなことも多々ありました。
この記事では、主に UoPeople への入学を検討している方向けに、最初に知っておくと良かったなあと個人的に感じた点をいくつか共有します。
講義の内容には触れておらず、UoPeople という大学そのものの制度面の話です。
なお、私自身は今期単位を逃すと退学かもしれないというところまで追い込まれています。(2. 休学について を参照)
1. Tuition-Free = 完全無料、ではない
大学の Web サイト を見ると、いろんなところで「Tuition-free」を謳っています。
日本語に訳すと「授業料無料」でしょうか。
ただ、完全に無料で講義が受けられるわけではありません。
1個科目を受講するのにつき、受講後に assessment fee というのを支払う必要があります。
詳しくはこのページに記載があります。
学士の場合、1科目あたりの assessment fee は $140
(あれ、これまで支払ってるのは $120 だけどな...)
またトータルでかかるコストはだいたい $5,660 ぐらいだよと書かれています。
そしてもうひとつ注意点としては、単位を取得したかどうかによらず、最後まで受講した科目については assessment fee を払わなければなりません。支払わないと次の学期(term)の履修登録ができません(たしか)。
ですので、「私は学位取得は別に求めてないから、興味ある科目だけタダで履修しよ〜」というのは基本的にできません。
2. 休学について
参考:Inactivity - uopeople catalog
UoPeople では1年を5つの学期に分割しています。ある学期で1つも科目を受講しなかった場合、休学扱いになります。
また、連続して5学期以上休学した場合、退学 になります。
UoPeople allows students to be inactive for up to five (5) consecutive terms but not inactive for more than five (5) terms.
(more than だから5学期分まではOK、かな?)
明示的に休学することを選んだ場合に加え、普通に単位落としてその学期の単位が0、という場合も休学扱いになるので注意です。
3. 大学に在籍できる最長期間
参考:Academic Degree Requirements - uopeople catalog
Complete all requirements for the Bachelor’s Degree in no more than 50 terms of active enrollment excluding any periods of separation from the University.
50学期のうちにすべての単位を取得し終える必要があります。
ただし、「50 terms of active enrollment」とあるので、2で言及した休学期間は含まれません。
4. 科目のDropとWithdrawとFail
参考:Course Drops and Withdrawals - uopeople catalog
UoPeople では、学期が始まった後も科目の履修をキャンセルできる猶予期間が設けられています。
具体的には、
- 学期開始〜最初の週までにキャンセル:Drop
- 学期開始〜4週目までにキャンセル:Withdraw
というように呼び方が違います。
両者は、成績証明書にキャンセルしたことが記録されるかどうかの違いのようです。Drop は記載されませんが、Withdraw の場合は "W" と記録されます。
が、どちらも全体の成績には加味されません。
5週目以降になってしまうと、科目のキャンセルはできません。
加えて、そのまま単位を落としても assessment fee は支払う必要があるため、死ぬ気で単位を取る必要があります。
5. 履修する科目は自由に選択できない
これは私が在籍中に制度がいつの間にか変わった点です。Learning Pathway などと呼ばれています。
以前は科目ごとの Prerequisites(その科目を履修するために単位が必要な別の科目)を満たしてさえいれば、履修する科目は自由に選ぶことができました。
その仕様が途中から変更になり、現在は システムが指定した順番で科目を履修する必要があります。
ここには一般教養系の科目も散りばめられているため、「一旦興味のある CS 系科目を履修して、最後までいけたら学位取得を目指して一般教養などの科目も取りに行く」といった戦略がとれなくなりました。
正直、これで心折れそうになっています。
なお、CS の学士はこちらに Pathway が記載されています。
Bachelor of Science in Computer Science (BS-CS) - uopeople catalog
おまけ:UoPeople ぶっちゃけ続けられそうなのかという話
最後に、UoPeople に入学してみて今どう感じているのか、という率直な感想を。
正直に言うと払ってる金額に見合ってるのかなあとか、卒業まで続けられるか微妙だなあとは思っています。
その理由としては、1つは「5. 履修する科目は自由に選択できない」で言及したように自分で履修する科目を選べなくなったことが大きいです。
忙しい中でせめて興味ある CS 系の科目を受けたいのに、一般教養科目を強いられるというのは苦痛でしかない。
また、教材の質については他と比較してないのでなんとも言えませんが、課題についてはディスカッションや自身の考えを述べる系のものが中心で、教材の内容を問うものではないことが多いです。
個人的には、教材の内容をちゃんと理解しているか、といった観点で課題を出してくれたほうがうれしかったりします。
こちらの方が書いている内容は非常に共感できます。。。
おわりに
というわけで UoPeople の制度面の話を中心に、最初に知っておくと良さそうなことを紹介しました。
本格的に検討される際は、カタログに目を通すことをおすすめします。
最近だと、このカタログを PDF でダウンロードして ChatGPT に食わせれば、日本語であれこれ質問できるので便利です。