さらっと読んだので簡単にメモを。
本書を読んだきっかけ
思い出せない。
会社で誰かがオススメしてた、とかだった気がする。
本書の目次
はじめに 第1章:なぜ、今1on 1ミーティングで人も会社も変わるのか 第2章:1on 1ミーティングで何を話すのか―部下と信頼を構築するために 第3章:1on 1ミーティングで何を話すのか―部下の成長を支援するために 第4章:1on 1ミーティングを始めてみよう おわりに 1on 1ミーティング質問・伝え方一覧
感想
上司が、部下との1on1を効果的なものにするために必要な実戦的ノウハウが書かれた本。
心構えだけではなく、話題(7種類の話題をこういうふうに組み立てるといいよ)や1on1で話す内容の時間配分、会話形式での質問例などかなり具体的なことが書かれている。自分はまだ明確に部下と呼べる対象がいないためすぐに使い所はないが、実務で取り入れやすそうに感じた。
また、上司側として1on1を設計する機会はまだないが、1on1をする部下側としてもこのフレームワークをおさえておくことで、1on1を自分にとって意義のあるものにするための提案ができそう。
一方、最後まで腹落ちしきれなかった点もあった。
1章で1on1ミーティングが行われていない理由をいくつか挙げており、そのうちの1つに「苦手意識」がある。
そこでは
自分が多くの決定権を持っている役職ならいざ知らず、中間管理職という立場では「仕事だからやって」としか言えないので、部下からの直接的な不満を聞くのを極力避けようとしてしまうのです。つまり、「聞いちゃったら解決に動かなきゃいけないけど、解決策がないので聞きたくない」という構図になっているのです。
という一節がある。
これ自体は非常に共感できる一方で、じゃあ1on1で何をしたらこれを回避できるのか?があまりピンとこなかった。
1on1はあくまで部下自身がアクションを起こすための場なので、不満を吸い上げて上司が対応にあたるものではないよ(そういう場にしよう)、ってことなのかな?
個人的に参考になった話をいくつか。
1on1 で話すべき7つのテーマ
この図がすべて。
①プライベート相互理解のための雑談、②心身の健康チェック、③モチベーションアップ
は毎回必ずやり、④〜⑦は必要に応じてチョイスする。
モチベーションアップのために良いところを伝える、が毎回話すべきことに入ってるのは意識しないと難しそう。
なお、モチベーションアップといっても必ずしもほめなくていい。そのかわり「承認(アクナレッジメント)」をする。
承認は、事実を認め、それをそのまま伝えること。(例:「最後までやりきったね」)
最高のほめは「間接ほめ」
「Aさんがあなたのこといいって言ってたよ」みたいなやつである。
わかる。これされるとめちゃうれしくなる。
これができるようになるためには、日頃から意識して周囲に情報を取りに行く必要がある。
また、面白いなと思ったのは、
「最近、チーム内でいいなって思う人いる?」
という質問を投げかけることで、視点を他の人に向けさせ、視野を広げる教育的効果が期待できる点。
MGC目標作成法
「⑤目標設定/評価」に関連する話題。
MUST、GET、CANの頭文字を取ってこう呼ぶらしい。
それぞれの意味は以下。
- MUST:会社として行わなければならない目標。WHYとWHATを丁寧に説明する
- GET:目標を通して部下が得られること
- 目標の達成によって自分のキャリアや人生に対して得られること、組織成果やメンバーにどのような影響をもたらすかを想像させる
- CAN:目標を達成できるという感覚
- 目標は高い方がいいが、現実味がないとやる気なくなる
- 「達成していく上で武器になるものは?」
- 「何があれば達成できる?」
- 「やめるべき業務は?」
Will/Can/Must というフレームワークは知っていたが、これは初耳だった。
GET を考えることで、この目標を達成したときに自身がどのように成長しているかを具体的にイメージでき、目標達成を目指す納得感とやる気の向上につながると思う。
また、CAN を考えることで、目標達成に向けた道筋を描く効果があると思う。
1on1の最後に「今日話してみて何か感想とか気づきがあったか?」と問いかける
1on1のbefore/afterで心境や考えがどう変化したか、に目を向けるきっかけになりそう。
気に入った一節
部下の話に、自分の「納得」を求めるな (p.94)
「「100%受け入れられている」と感じてもらう雰囲気のつくり方」より。
された側としての心当たりがめちゃくちゃあったのでものすごく共感した。
①プライベート相互理解 の文脈で出てきた話ではあるが、1on1全体に通じて言えることだと思う。